Lesson 6

ながら族


ここ二、三年来、ラジオを聞いたり、音楽を聞いたりしながらでなければ、 仕事のできない人種が現われだした (1) 。このような人々を「ながら族」という。 たとえば、私の弟は完全なながら族で、弟の部屋で、ラジオの音がする (2) ということは (3) 、弟が勉強しているということ (3) の最も確かな証拠である。 私は、前に一度、弟にラジオを聞きながら勉強するのはやめるように と注意したことがある。すると、驚いたことに、弟の友だちの中には、 ラジオではジャズを聞き、テレビでは野球を見ながら宿題をする子が いるのだという。まるで聖徳太子のようなものである。

ながら族になってしまった人の話によると、一度音楽を聞きながら勉強 したりするのが癖になってしまうと、もう音楽を聞かずには、勉強も 仕事もまるでできないのだそうだ。私のように、そのような習慣のない もの者にとっては、そんな事は、とうていできそうには思えないいずれにせよ (4) 、仕事や勉強の能率が上がればよいのであって、一概に、 どちらが良いとも悪いとも言えないのかもしれない。



会 話 文 1


A:  すまないけどうるさいから、ラジオを小さくしてくれないか。

B:  ラジオがうるさいって (5)

A:  うん。

B:  僕はながら族なんだ。ラジオを聞いたり、音楽を聞いたりしながらで なくちゃ (6) 、勉強ができないんだよ。

A:  そうかい。実は、僕の弟もながら族になっちゃって、困ってるところなんだ (8)

B:  困ることはないさ (7) 。仕事さえちゃんとすればいい (10) んだから、一概にどっち がいいとも悪いとも決められないだろう。



会 話 文 2


A:  このごろ音楽を聞きながら勉強するのが癖になっちゃったね。

B:  じゃ、君もながら族になったんだよ。一度そんなことが癖になると、 音楽を聞きながらでなけりゃ (9) 、仕事をしたりすることができなくなっちゃう (11) んだ。

A:  うん、そうなんだよ。こないだ、おやじに、ラジオを消して勉強するように って注意されたから、ラジオを消してみたんだ。そうしたら、まるで勉強が できないんだよ。

B:  そういうもんだそうだね。

A:  「そういうもんだそうだね」って、君はながら族じゃないの。

B:  うん。僕のように、ながら族になってない者にゃ (11) 、音楽を聞きながら勉強する ことはとうていできそうにないがね。

A:  そうかね。弟の話によると、友だちの中にゃ (11) 、驚いたことに、テレビもラジオも つけといて (12) 、宿題をする子がいるんだそうだよ。

B:  それじゃ、まるで聖徳太子じゃないか。すごいやつが現われだしたもんだね。


    = 留 意 語 句 =


      確かな証拠
      … はとうていできそうには思えない。
      能率が上がる。
      ラジオを消す。
      ラジオを小さくする。
      … ようにと注意する。
      テレビをつける。