Lesson 5

応用会話


毛利         中年の紳士
和子 25才ぐらいの美人


***      車の止まる音      ***

和子 「あら、お隣のおじさんじゃありませんか。これから お出かけですの。」
毛利 「ええ、少しおそくなったんでタクシーを待っている ところです。」
和子 「じゃ、よろしかったら駅までお送りしましょう。 どうぞ。」
毛利 「ありがとうございます。じゃ、おことばに甘えて。」

***      ドアをあけ、しめる音、発進の音      ***

毛利 「なかなか運転がおじょうずですね。しかし、女性に 運転させて乗っているなんて、ちょっと恥ずかしい な。」
和子 「そんなことありませんわ。女が運転するのは別に 珍しくなくなりましたもの。」
毛利 「そういえばそうですね。自動車も多くなったが女性 のドライバーも多くなった。わたしらの子供のころ は、女性が自転車に乗っても、女のくせにと非難さ れたものですが、このごろは自動車は運転する、山 には登る、スポーツはやる、女性の解放も進んだも のですね。」
和子 「ええ、ずいぶん進んだように見えますが、でも 実際はそれほどでもないんですよ。自動車でも、 ちょっと見るとずいぶん女性が多いようですけど、 小さい車だけで、大きいの、たとえばトラックな んかとなると、女が運転することはめったにあり ませんもの。」
毛利 「ああ、なるほど。女性も若い人はいろいろなスポーツ や外の仕事をしますが、中年以上の人はあまりしま せんね。わたしは山が好きでよく山に登りますが、 女性の登山客はたいてい若い人ばかりで、未婚の人 たちらしいんですよ。結婚してしまうとなかなか外 へ出られないんですね。」
和子 「そうでしょうね。結婚してしまうとだめになる人が 多いですね。男性の責任ですわ。」
毛利 「和子さんも近いうちに結婚されるそうだが、だいじ ょうぶでしょうね。」
和子 「ええ、でも子供ができるとめったに外へ出られなく なるでしょうね。」
毛利 「そうかもしれませんが、これからは社会が進歩して 生活がもっと便利になりますから今までより女性も ずっと自由になりますよ。… … あ、もう駅ですね。 おかげでずいぶん早く着きましたよ。どうもありが とうございました。」
和子 「いっていらっしゃいませ。」

***      ドアをあけ、しめる音、発進の音      ***